アフラック夢見るこどもの学資保険をシミュレーション
2017年4月以降、学資保険の人気勢力図はすっかり変わりました。
依然高い人気を誇っている保険会社もありますが、学資保険の商品的魅力が失われ、すっかり注目されなくなってしまった保険会社もあります。
一体何が起こったのでしょうか。
この記事で解説していきます。
その前にひとつだけご紹介です。
この記事を読んでいる方の中には「学資保険選びが分からない」「どこに相談すれば良いか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
そんな方のために、タイプ別にどの相談サービスを選んだら良いのかをまとめました。
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それでは本編にはいりましょう。
超低金利政策の影響
金融庁による標準利率の引き下げ
政府日銀による超低金利政策が続く中、保険業界だけが高い利回りを謳っていては他の金融機関とのバランスが崩れてしまいます。
そこで金融庁は2017年4月、標準利率の引き下げを行いました。
保険業法では、契約者に対し将来の満期保険金を支払うために責任準備金を積立てるよう各保険会社に義務付けています。
この積み立てる際の利率の目安が標準利率です。
そしてこの標準利率は契約者が支払う保険料を決めるための予定利率(預かった保険料をどれくらいの運用できるかの利率)に深く関係しているのです。
2013年4月にも(1.5%→1%)という引き下げがあり、返戻率が下がり、元本割れする保険商品が続出して大きな話題になりましたが、2017年の今回は更にそれを上回る(1%→0.25%)という大幅なものだったのです。
貯蓄性の高い商品は大幅な見直しを強いられた
そのため各保険会社は大打撃を受け、貯蓄性の高い商品は販売を中止せざるを得なくなったり、返戻率(預けたお金がどれくらい増えて戻ってくるかの割合。
100%を超えると貯蓄性があるといえる)が大幅に下がってしまい元本割れするものが大幅に増えました。
預かったお金を有利に運用し、契約者に還元することが難しくなってしまったのです。
今回取り上げるアフラックの学資保険「夢見るこどもの学資保険」もそんな影響を受けた商品です。
ここからは、以前は人気の学資保険商品だったアフラックの「夢見るこどもの学資保険」が現在どのような状態なのか、検討し加入するのにふさわしいのかをシミュレーションを含め詳しく解説していきます。どうぞ最後までお付き合いください。
夢見るこどもの学資保険の特徴
進学時期に合わせた受取方法
高校入学時に学資一時金、大学入学時からは学資年金として、入学時、2年時、3年時、4年時に学資金を受け取ることができます。
義務教育ではない高校からは授業料もかかりますし、大学の受験対策も始まるため教育資金がかさみます。
そのため高校入学時の学資一時金は嬉しいシステムです。
更に大学入学後は学資年金として毎年学資金が支給されるので、授業料などに充てることができます。
<学資金支給例>基準学資年金額100万円(受取総額300万円の場合)
高校入学時 | 大学入学時 | 大学2年 | 大学3年 | 大学4年 |
50万円 | 100万円 | 50万円 | 50万円 | 50万円 |
学資一時金 | 学資年金 | → | → | → |
出生予定日140日前から申込可能
被保険者(子供)が0歳~7歳の範囲で契約が可能ですが、出生予定日の140日前から申し込みすることもできます。
実際に子供が生まれると毎日慌ただしくなり、ゆっくりと学資保険を検討する余裕はなくなってしまいます。
ついつい契約する時期が遅くなってしまいがちですが、学資金は子供が所定の年齢(例えば18歳)の誕生日を迎えた後の契約日に受けとれるようになっています(別の日を定めている学資保険もあります)。
そのため少しでも受け取る時期が早くなるこの出産前契約はありがたい仕組みです。
払込期間が3種類選べる
払込期間を(子供が)10歳まで、17歳まで、18歳までの3種類から選ぶことができます。
17歳を選ぶことによって、学資金の支払い開始を17歳の誕生日後にすることができ、早生まれの子供や、推薦入学・AO入試などで早めに入学金が必要な場合などに対応可能となります。
また10歳払いは、比較的教育資金がかからない時期に保険料の支払いを終えてしまうことができるので、その後の家計に余裕を持つことができます。
保険料払込免除特約
1契約者が保険料払込期間中に死亡した場合
2契約者が契約の始まった後に、病気・ケガなどで所定の高度障害状態になった場合
3契約者が契約が始まった後に、不慮の事故によって180日以内に所定の身体障害状態になった場合
契約者が以上の3つのケースのどれかに当てはまった場合、以後の保険料の支払が免除されます。
もちろんその場合でも学資金は満額受け取ることができます。
申込みの際 医師の診査が不要(告知のみでOK)
契約の申込みの際、医師の診査は必要ありません。
告知書に現在の健康状態などを記入することで契約可能です。
夢見るこどもの学資保険のメリット
受け取り総額1500万円まで契約可能
学資保険の受取総額は基本的にあまり多額に設定されていません。
ところが夢見るこどもの学資保険では120万円から1,500万円まで60万円単位で設定が可能です。
そのため医学部や、歯学部、獣医学部など入学時や学費が高額な進路先にも十分対応することができます。
クレジットカード払いが可能→ポイントが貯まる
クレジットカードでの支払いを取り扱っていない保険会社もありますが、夢見るこどもの学資保険の場合は可能です。
そのため保険料の支払いによってポイントを貯めることができます。
夢見るこどもの学資保険のデメリット
貯蓄性がメインの学資保険なのに元本割れしてしまう
現在の夢見るこどもの学資保険最大のデメリットは「元本割れ」してしまうことです。
多くの人が学資保険を検討するのは、教育資金を預貯金等よりお得に貯めるためです。
確かに他の保険会社の学資保険商品でも返戻率が100%以下、つまり元本割れをするものがあります。
ただその多くは子供の医療保障が付いていたり、親が亡くなった時に育英年金が付くなどのメリットが有り、そのメリットに資金を割いてしまうために学資金が元本割れするというものです。
メリットが有るのですから、多少元本割れしてしまうのも納得できます。
しかしアフラックの夢見るこどもの学資保険は貯蓄性に特化した学資保険です。
医療保障や育英年金などのメリットは付いていません。
それで元本割れしてしまっては、預貯金に対するメリットはせいぜい親が亡くなった時に以後の支払いが免除される、保険料払込免除特約くらいとなってしまいます。
そして返戻率を少しでも上げるためには、保険料を短い期間で払い込む「短期払い」が有効なのですが、夢見るこどもの学資保険の場合、10歳までの短期払いであってもやはり元本割れしてしまいます。
これでは検討して選ぶ意味が無くなってしまいます。
50歳までしか加入できない→祖父母が契約者になることはほぼ不可能
孫は子供より可愛いなどといわれます。
そのため父母ではなく、祖父母が学資保険の契約者になって保険料を払込むというケースも珍しくありません。
ところが夢見るこどもの学資保険の場合、契約者の年齢は50歳がMAXとなっているのです。
これでは祖父母が契約者となることはほぼ不可能です。
高齢の契約者の場合、保険会社は保険料払込免除のリスクが高まりますから避けたいのは理解できますが、契約する側の自由度を考えるともう少し幅を広げてもらいたいと考えてしまいます。
受け取り方法が1種類しか選べない
他の保険会社では、
・大学入学時に一括で受け取る
・幼稚園・小・中・高・大学・大学卒業時と分けて受け取る
・大学入学時と2年・3年・4年・卒業時と分けて受け取る
などといったように多彩な受け取り方法を用意しています。
子供の進路が多様化し、海外留学なども珍しくなくなった今、多彩な受け取り方を用意し、教育資金のフレキシブルな使い方を提供する必要があります。
その点受け取り方法が1種類に固定されているのはデメリットと言えます。
子供の医療保険特約や育英年金特約は付けられない
貯蓄性に特化した学資保険の場合、子供の医療保障や、親の死亡保障などを特約でつけることはできない場合がほとんどです。
夢見るこどもの学資保険の場合も特約はつけられません。
保証が必要であれば、他の子供用医療保険や育英年金を検討する必要があります。
夢見るこどもの学資保険のシミュレーション
夢見るこどもの学資保険の返戻率を確認するためにシミュレーションをしてみます。
自分が預けたお金がいくらになって帰ってくるのかを確認してみてください。
契約条件は、契約者30歳男性 被保険者0歳 です。
17歳学資年金支払開始
高校入学時の学資一時金の後、17歳から学資年金の支払が始まるプランです。
早生まれの子供や推薦入試・AO入試を考えている子供に向いています。
保険料払込期間 | 17歳払済 | 10歳払済 |
月額保険料 | ¥15,270 | ¥25,510 |
受取総額 | ¥3,000,000 | ¥3,000,000 |
払込保険料総額 | ¥3,115,080 | ¥3,061,200 |
返戻率 | 96.30% | 98.00% |
17歳まで払い込んだ場合で96.30%、10歳までの短期払込でも98%までしか上がりません。
17歳払済では¥115,000ものお金が減ってしまいます。
18歳学資年金支払開始
高校入学時の学資一時金の後、18歳から学資年金の支払が始まるプランです。
一番一般的なタイプです。
保険料払込期間 | 18歳払済 | 10歳払済 |
月額保険料 | ¥14,430 | ¥25,460 |
受取総額 | ¥3,000,000 | ¥3,000,000 |
払込保険料総額 | ¥3,116,880 | ¥3,055,200 |
返戻率 | 96,2% | 98,1% |
18歳払済では更に返戻率が下がってしまっています。10歳払済の短期払いでも返戻率は上がりません。
このシミュレーションで分かる通り、現在のアフラックの夢見るこどもの学資保険では返戻率が100%を超える、つまり預けたお金が増えて戻ってくる組み合わせはありません。
夢見るこどもの学資保険に向いている人
上で上げたメリットとして、上限1,500万円までの受取総額というものがありました。
ちなみに受取総額1,500万円、18歳学資年金支払開始でシミュレートしてみると以下のようになります。
保険料払込期間 | 18歳払済 | 10歳払済 |
月額保険料 | ¥72,150 | ¥127,300 |
受取総額 | ¥15,000,000 | ¥15,000,000 |
払込保険料総額 | ¥15,584,400 | ¥15,276,000 |
返戻率 | 96,2% | 98,1% |
返戻率は上記と同じですが、受取総額が大きいだけに「減る金額」も大きくなります。
実に¥584.400もお金が減ってしまうのです。
これでは教育資金を貯めるために大切なお金を預ける先としておすすめするのは難しいと言わざるを得ません。
なぜ不利な条件でも学資保険を販売し続けるのか
学資保険は他の保険商品のドアノッカー
一般的に学資保険は返戻率が高く貯蓄性に優れているので、契約者側からするとメリットの大きい保険商品です。
ということは、裏を返せば保険会社側からすればメリットの少ない=旨味が少ない商品と言えます。
ではなぜ各保険会社は学資保険を販売し続けるのでしょうか。
それは他の保険商品を販売するためのドアノッカーとして最適だからです。
保険の相談だというと難色を示す人でも、学資保険は貯金の一種と考える人が多く、また大切な子供の教育資金を貯めるためなので、積極的に相談したいとなります。
そこで保険会社は「学資保険を検討するには他の保障も同時に考えなくてはなりません。」とか「学資保険だけではお父さんが亡くなった時に生活できません。死亡保障も必要です。」などといって、学資保険を入り口に一般の保険の相談に持ち込むのです。
預けたお金が大きく増えて戻ってくるというメリットがあったり、他の保障が必要な場合であれば、相談をするのも良いきっかけになりますが、そうでなければ相談をする必要はありません。
契約者側も他の保険と一緒に検討するなら手間が少ない
契約者側にも他の保険と一緒に検討するのはメリットがあります。
複数の保険会社と付き合うという面倒なことをしなくてすむからです。
例えばすでにアフラックの医療保険やがん保険に加入していれば、「いつもの保険相談員」にお願いすれば手間がかかりません。
日本人はお馴染みに弱いですから、少し位返戻率が低くても契約してしまう人もいるのです。
そのため他社と比べて不利な商品と分かっていても、学資保険の場合はなかなか販売を休止することはありません。
人気学資保険でもしっかりと検討の上で加入しよう
アフラックの学資保険はかつて「学資保険人気御三家」と呼ばれ、現在でも依然人気があります。
ただ人気があるからといって安易に契約するのはおすすめしません。
やはりきちんと条件などを確認の上、検討してから契約するべきです。
確かに超低金利政策が続く現在、貯蓄型の保険商品は厳しい状況にあります。
ただそんな中でもきちんと商品設計をして、しっかりと運用し、100%をゆうに超える高い返戻率を実現している学資保険もあるのです。
自分の命より大切な子供の教育資金を貯めるために、命の次に大切なお金をあずけるのです。
今までのお付き合いがあるからとか、今まで有名だったから名前を聞いたことがあって、などという安易な理由ではなく、しっかりと情報を集め検討し、自らに有利な学資保険を契約してください。
厳しい意見になりましたが、皆さんが有利にお得に教育資金を貯められることを祈っています。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。