つみたてNISA(積立nisa)のおすすめ銘柄と証券会社比較ランキング

積立nisa(つみたてNISA)は老後資産や子どもの教育資金などを貯めるために有効な非課税投資制度です。

金融庁が設定した条件をクリアした投資信託から選択できますが、200以上も選択肢があります。

「どれを選択すれば良いのか分からない……」とお悩みの方も多いのでは?

そこで本記事では、積立nisa(つみたてNISA)でおすすめの投資信託や、積立nisaを扱うネット証券について紹介します。

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つみたてNISAとは|概要を紹介

積立nisa(つみたてNISA)は、金融庁が主導する形で2018年に始まった、「長期・積立・分散投資」を支援するための非課税制度です。

他にも一般NISAという選択肢がありますが、積立nisaは文字通り「つみたて」による少額投資で非課税の恩恵が受けられる特徴があります。

・拠出可能額:毎年40万円まで
・非課税期間:最長20年

非課税期間が5年(1年の拠出額は最高120万円)の一般NISAと比較すると、「細く長く投資したい」場合に適した制度です。

つみたてNISAで選ぶべきおすすめの銘柄

細かい商品の銘柄や選び方については後ほど詳しく解説します。

最初は、投資する人の考えによって「どのようなジャンルの商品を選択すれば良いのか」という投資の方向性を決めておくことをおすすめします。

投資に対するスタンスはさまざまですが、大きく以下のような考え方に分けることができるでしょう。

・運用にかかるコストを徹底削減して安定運用がしたい
・積極的に運用して大きな利益を狙いたい
・幅広い投資対象に分散させてリスクを抑えた投資がしたい

それぞれのスタンスに合った投資信託の種類をみてみましょう。

運用にかかるコストを徹底して削減したいなら「インデックスファンド」

投資においてはリターンの大きさに目がいきがちですが、長期投資で重要になるのは「コスト」です。

月に100円のコスト差が発生しても短期なら気になりません。ただ、1年なら1,200円、20年なら24,000円と、期間が長くなるほど大きな差になってリターンを圧縮してしまいます。

似たようなリターンが期待できる商品なら、できるだけコストが低い商品を選びましょう。

おすすめは、特定のベンチマーク(指標)に投資する「インデックスファンド」です。

【インデックスファンドとは】
「日経平均株価(日経225)や東証株価指数(TOPIX)、S&P500など、株式の代表的な指数に連動する投資成果を目指す銘柄」

構成商品はインデックスに含まれる銘柄とほぼイコールであり、入れ替えも機械的に行われるのでコストが低いメリットがあります。

商品名に「〇〇インデックスファンド」と書かれていれば該当する商品なので、商品選びの方向性を決める参考にしてみて下さい。

積極的に運用するなら「アクティブファンド」

「指数に連動するリターンを目指す」インデックスファンドと異なり、アクティブファンドという選択肢もあります。

【アクティブファンドとは】
「ベンチマークにしているインデックスを上回る投資成果を目指すファンド」

構成銘柄はファンドマネージャーによって厳選して決められていて、銘柄の入れ替えも独自の分析を元に行われます。

判断が機械的ではなく人件費がかかるので、インデックスファンドと比べるとコストは高めです。

その代わり、上手に運用できたアクティブファンドはインデックスファンドよりも大きなリターンを得られる可能性があります。

ただ、ほとんどのアクティブファンドはインデックスファンドのリターンに負けているのが現実です。

比較的アクティブファンドが勝てるといわれる日本でも、インデックスファンドに勝っているアクティブファンドは約3割ともいわれます。

長期にわたってインデックスファンドに勝てるアクティブファンドはごく一部であり、投資家としてもアクティブファンドを選定する分析力が求められます。

幅広い資産に分散投資するなら「バランスファンド」

投資信託で投資する対象になるのは「株式」だけではありません。
以下のようにさまざまな投資対象があります。

・国内株式
・外国株式
・国内債券
・外国債券
・国内REIT
・外国REIT
・コモディティ(金・原油など)

株式100%よりも、株式と違う値動きをする債券やREIT(不動産投資信託)、金などをポートフォリオに組み込むことで、リスクを分散する効果が期待できます。

ただ、対象資産ごとに投資信託を探すのも、管理するのも大変です。

そんなときは「バランスファンド」がおすすめできます。

バランスファンドは株・債券・REITをはじめとした金融資産が1つのファンドに含まれた商品です。
1つのバランスファンドを購入することで複数の商品に投資しているのと実質的に同じ効果を得ることができ、管理も非常に簡単です。

資産の種類によって「6資産均等」「8資産均等」といったように複数の資産が均等に割り振られている商品もあり、もし比率が変わった場合もファンドの側で自動的に配分を調整(リバランス)してくれます。

つみたてNISA初心者おすすめの銘柄ランキング

つみたてNISAで投資できる銘柄は、金融庁が指定した条件をクリアした投資信託です。2022年10月現在、その数は200以上もあります。

ただ、それぞれの商品ごとに投資対象やリターンが異なるため、商品選びで迷ってしまうことも少なくありません。

そこで、積立nisa(つみたてNISA)で投資できる商品の中でも安定したリターンが見込め、多くのネット証券でラインナップされている厳選銘柄を紹介します。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

【おすすめポイント】

先進国だけでなく、新興国の大企業にもまとめて投資できる
日本を含む商品と日本株を除く商品のラインナップがある

全世界の株式に投資できる「全世界株式」の1本です。先進企業の株式はもちろん、中国やインド、韓国など新興国の大企業にもまとめて投資できる強みがあります。

リターンも3年で14.91%%と十分といえる水準であり、世界中に幅広く投資したい人なら選択肢になるでしょう。

日本を含む商品の他に、日本は外した「除く日本」のラインナップもあります。日本に将来性を感じない場合や、他の投資信託で日本株に投資している場合には有力な候補です。

投資スタイルインデックスファンド
信託報酬0.1144%以内
投資対象全世界
純資産総額708,844百万円
基準価額16,730円

SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))

【おすすめポイント】

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とは違ったベンチマークに連動を目指す全世界株
世界中の小型株を含む投資を行う

日本を含む全世界の株式に投資する投資信託です。FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスというベンチマークに連動した値動きを目指します。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が大型株・中型株をターゲットにしているのに対し、雪だるまは小型株まで投資対象に含むのが特徴です。

小型株の将来性に期待している方や、本当の意味で全世界に分散させたい人に向いています。

投資スタイルインデックスファンド
信託報酬0.1102%程度
投資対象全世界
純資産総額75,438百万円
基準価額15,857円

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

【おすすめポイント】

米国の主要500社に分散投資できる
AppleやMicrosoftといった大企業の比率が高め

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、米国の代表的な指数「S&P500」に連動した投資信託です。

米国の主要な大企業500社に分散投資することができ、AppleやMicrosoftといった世界的な大企業の比率が高い特徴があります。

信託報酬も0.0968%以内と、他のインデックスファンドと比べて優秀な水準です。

投資スタイルインデックスファンド
信託報酬0.0968%以内
投資対象米国S&P500
純資産総額1,557,626百万円
基準価額19,393円

ニッセイ外国株式インデックスファンド

【おすすめポイント】

信託報酬以外のコストは発生しない
コストを抑えつつの安定運用を目指す方に向く

ニッセイアセットマネジメントが手がけるインデックスファンドです。米国やヨーロッパなど、先進国の株式に丸ごと投資できます。

信託報酬以外のコストは一切かからず、信託報酬も0.1023%以内と低い設定に抑えられています。

トータルリターンも平均を上回っており、コストを抑えながら安定したリターンを得たい人におすすめです。

投資スタイルインデックスファンド
信託報酬0.1023%以内
投資対象先進国
純資産総額423,541百万円
基準価額26,402円

ひふみプラス

【おすすめポイント】

アクティブファンドのなかでは人気・知名度が高い
設定来のトータルリターンが300%を超えている

アクティブファンドのなかでも知名度が高いファンドです。
国内株式を中心にした構成ですが、約10.68%は外国株にも投資していて分散が効いています。

純資産総額が4,000億円を超えていることからも、多くの方に支持されていることが分かるでしょう。

設定来のトータルリターンも「336.13%」と大きく、長期的に安定した運用が行われています。

投資スタイルアクティブファンド
信託報酬1.078%以内
投資対象日本株・外国株
純資産総額462,784百万円
基準価額44,515円

つみたてNISAのおすすめ銘柄を購入できる証券会社

積立nisa(つみたてNISA)は大手銀行やゆうちょ銀行でも始めることができますが、ラインナップの充実ぶりを考えるとネット証券で始めるのがおすすめです。

ここでは、ネット証券の中でも「積立nisa(つみたてNISA)のラインナップ」「サポート体制」などを比較して、おすすめできる業者を5社ご紹介します。

SBI証券|毎日・毎週の積み立ても可能

【おすすめポイント】

商品本数が184本と業界トップクラス
クレカ積立なら最大2.0%のVポイントが付与

SBI証券は、開設口座数が ネット証券でNo.1を誇る証券会社です。

積立nisa(つみたてNISA)の商品本数がライバルと比較しても多く、豊富な選択肢の中から好きな商品を選べる魅力があります。

さらに積立頻度も「毎月」だけでなく「毎日」「毎週」からも選択できるため、無理なく積立投資が可能です。

三井住友カードでのクレカ積立なら積立金額に応じて最大2.0%のVポイントが付与される特典もあり、隙のないサービス展開になっています。

つみたてNISAの銘柄数184本
購入時手数料0円
積立頻度毎日/毎週/毎月

楽天証券|積み立てしながら楽天ポイントが貯まる

【おすすめポイント】

投資しながら楽天ポイントを貯められる
SBI証券に迫る商品ラインナップ

楽天証券ではポイント投資サービスがあり、つみたてNISAの購入に楽天カードを利用すると、決済額に応じたポイントが付与されます。

保有する楽天ポイントを1ポイント=1円でつみたてNISAの購入に利用できるのも魅力です。

商品ラインナップが182本とSBI証券に迫るほど多く、選択肢に困ることもありません。

つみたてNISAの銘柄数182本
購入時手数料0円
積立頻度毎日/毎月

auカブコム証券|現物取引手数料が最大5%引き

【おすすめポイント】

購入時手数料・解約時手数料が0円でつみたてNISAを利用できる
NISA口座を開設すると、現物取引の手数料について最大5%割引あり

auカブコム証券は、購入時手数料・解約時手数料が0円でつみたてNISAを利用できるネット証券です。
口座管理・維持手数料もかからないので、コストを大きく抑えた投資ができます。

また、NISA口座を持つことで現物株の取引で割引が受けられるのもメリットです。

NISA口座(一般NISA、つみたてNISA)を開設した利用者の現物株式の通常のワンショット手数料および、現物株式・信用取引共通の1日定額手数料について、最大5%割引が受けられます。

つみたてNISAの銘柄数178本
購入時手数料0円
積立頻度毎月

マネックス証券|最大1.1%のポイント還元

【おすすめポイント】

最大1.1%の投信積立サービスあり
個別株も強く、米国株や中国株のラインナップが豊富

マネックス証券は、2022年2月から還元率最大1.1%の投信積立サービスを開始したネット証券です。

ポイント還元率1.1%はネット証券のなかでも最大クラスの還元率になっています。※SBI証券では最大2.0%ですが、プラチナカードでの投資が必要です。

個別株式でも強みがあり、とりわけ「中国株」「米国株」のラインナップが豊富なメリットがあります。

「つみたてNISAも個別株も両方で利益を狙いたい」という場合におすすめできる証券会社といえます。

つみたてNISAの銘柄数156本
購入時手数料0円
積立頻度毎日/毎月

松井証券|初心者向けのサポートが充実

【おすすめポイント】

つみたてNISA対象商品の購入時手数料は全て無料
手元のパソコンを松井証券が遠隔操作するサポートもあり

松井証券は170本のラインナップがあり、品揃えで他社に引けをとっていません。つみたてNISAで取り扱う投資信託の購入時手数料は無料であり、コストを抑えて投資したい方に強くおすすめできます。

さらに、強力なサポート体制が構築されているのもメリットです。松井証券で口座を持っていればAIチャットや電話注文のほか、手元のパソコンを松井証券が遠隔操作する「リモートサポート」を受けることも可能です。

つみたてNISAの銘柄数177本
購入時手数料0円
積立頻度毎日/毎月

つみたてNISA銘柄の選び方

つみたてNISAの商品ラインナップは証券会社によっても異なりますが、大手なら170以上のラインナップがあります。

「選択肢が多すぎて、1つに絞り込めない……」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?

ここでは、自身が長く付き合う投資信託を選ぶ際に知っておきたいポイントについて、以下の3つを紹介します。

・コストが安いインデックスファンドを選ぶ
・さまざまな国・資産に分散して投資する商品を選択する
・純資産総額・資金流入が好調なものを選ぶ

コストが安いインデックスファンドを選ぶ

長期的に資産形成をするのが目的なら、「コスト」は特に気にしたい部分です。

ベンチマークになる指数が同じならリターンはほぼ変わらないので、コストが安ければ安いほど多くの利益を手元に残すことができます。

つみたてNISAでは投資信託のコストのうち「購入時手数料」はかかりません。よって、気にするべきコストは「信託報酬」です。

少しでも信託報酬のコストを下げるために、初心者の方は「インデックスファンド」の中から選ぶことをおすすめします。

インデックスファンドは管理面でコストがかからないので、信託報酬が安く設定されています。
銘柄にもよりますが、0.1%前後も珍しくありません。

一方のアクティブファンドは銘柄の選定や入れ替えに分析が必要であり、信託報酬も1.0%前後になります。

インデックスファンドの例信託報酬
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド0.0938%程度
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)0.1144%以内
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス0.1023%以内
アクティブファンドの例信託報酬
ひふみプラス1.078%以内
年金積立 Jグロース0.902%
フィデリティ・Jリート・アクティブ・ファンド1.045%

信託報酬は、投資信託を保有しているあいだは。毎日日割りで必ず発生します。長期で保有することが前提である「つみたてNISA」であればこそ、信託報酬ができるだけ低い銘柄を選ぶことを意識しましょう。

アクティブファンドは運用次第でインデックスファンドを上回るリターンが期待できますが、長期的に勝ち続けられるかは不透明です。

コスト面も考えて、初心者の方はインデックスファンドを選択するのが無難です。

さまざまな国・資産に分散して投資する商品を選択する

投資信託を選ぶ際は、できるだけ多くの地域や資産に分散して投資することが重要です。

株式100%の投資信託1つの国だけでなく、世界中の国や地域に分散できる商品
資産複合型の投資信託株式以外にも債券・REIT・金など、さまざまな資産に分散できる商品を選ぶ

上記のように、できる限り投資対象を分散することで、リスクを抑えることが可能になります。

たとえば株式100%の投資信託で世界中の株に投資しておけば、仮に日本が景気悪化で株価が暴落したとしても、ほかの国のプラスでカバーできます。

資産複合型なら株式と異なる値動きをする債券や金を組み入れることで、株価が暴落した際のクッションの役割を果たすでしょう。

純資産総額・資金流入が好調なものを選ぶ

投資信託は「プロが投資家に代わって運用し、得た利益を配分する」という投資商品です。

資産を運用するには投資家からの出資が必須であり、出資が多い投資信託は「資産流入が大きい」「純資産額が大きい」という特徴を持ちます。

純資産総額が小さかったり資産流出が続いたりするようなファンドを選ぶと将来的に運用が停止され、償還されてしまうリスクがあるので注意が必要です。

証券会社によっては「月次資金流出入額」をグラフで見ることができるので、投資商品を選ぶ参考になるでしょう。

画像引用:SBI証券|SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

流入が流出を上回り続けているファンドを選ぶことで運用停止のリスクが下がり、長期的な資産形成に役立てることができます。

つみたてNISAで資産形成する際のチェックポイント

積立nisaで運用できる商品は、金融庁が指定した条件をクリアした珠玉の投資信託ばかりです。

ただ、投資信託は商品ごとにベンチマークや信託報酬が異なり、得られるリターンにも差が生じます。
せっかく最長20年も投資するのですから、大きなリターンを得られる可能性のあるものを選びたいですよね。

ここからは、投資信託を比較して絞り込む際に知っておきたい注意点を解説します。

トータルリターン・標準偏差で実績を確認できる
運用期間はどれくらいに設定するべき?
自身のリスク許容度を高く見積もり過ぎずに商品を決めること

トータルリターンで過去の実績を確認できる

つみたてNISAで投資するのは、最長で20年も付き合うことになる商品です。リターンができるだけ大きな商品に投資したいと思うのは当然でしょう。

未来は誰にも分かりませんが、投資信託の「トータルリターン」を見れば過去の実績を確認することはできます。

リターンの高い投資信託を狙うなら、トータルリターンが大きな商品がおすすめです。

コストや分配金・一部売却金などを含めてどれだけの損益が出たかをあらわす指標であり、運用が似ている商品と比べて成績のよい商品を選ぶことで、長期的に見てもより良い運用ができる可能性があります。

運用期間はどれくらいに設定するべき?

投資信託によって運用期間に制限が設定される商品もありますが、老後の資産形成を考えている場合はふさわしくありません。

つみたてNISAは20年の非課税が適用されますが、老後に現金化するまではずっと運用し続けることになります。

よって、運用期間は限定ではなく、無期限の商品が望ましいといえます。

自身のリスク許容度を高く見積もり過ぎずに商品を決めること

つみたてNISAの運用結果は老後資金に直結するため、少しでもリターンが大きい商品を選びたいと考えるのが普通です。

ただ、「ローリスク・ハイリターン」の金融商品は存在せず、大きなリターンが狙える商品は大きなリスクを伴います。

株式100%の金融商品は相場によって大きなリターンが得られますが、下落幅も同じように大きいため注意が必要です。

たとえば「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」

設定来のリターンは85.48%と驚異的で、3年平均のリターンも19.72%と高い数値を誇ります。ただし、2022年10月以前の直近6ヶ月では「-5.77%」と、資産を大きく減らす結果になっています。

20年の運用期間のなかでは、このような暴落に遭う可能性もあります。

冷静に対処できるだけのリスク許容度に押さえておかないと、つみたてNISAから途中リタイアしてしまい、結果的に資産を増やせないことも考えられます。

株式100%のリスクの大きさに不安があるなら、安定したリスクとリターンが期待できて株式と逆の値動きになりやすい債券を加えるなど、投資対象資産を分散することも必要です。

つみたてNISAで資産運用する際の注意点

年間40万円まで拠出でき、最長20年も利益が非課税になる積立NISA。老後資金や大学資金の準備に向けて非常に有効な制度ですが、メリットばかりというわけでもありません。

積立nisaを利用する前に、以下のような注意点があることも理解しておきましょう。

iDeCoのようにスイッチングはできない
他の口座との損益通算ができない

iDeCoのようにスイッチングはできない

つみたてNISAは似たような非課税投資商品「iDeCo(個人型確定拠出年金)」と違い、銘柄の変更に一定の制限があります。

つみたてNISAでは、iDeCoなどで行える「スイッチング」(投資信託の入れ替え)ができません。

【スイッチングとは】
「これまで積み立ててきた商品を、売却せずにそのまま別の商品に入れ替えること」

投資商品を変更するなら「商品の積立を止めた後、別商品の積立を始める」という形になります。

最初の商品に使った非課税投資枠は復活しませんので、その年は新銘柄に十分な投資ができないことがあります。

従来の商品を売却して買い替える場合も同様に非課税枠は回復せず、買い替えることで複利効果を逃してしまうのでおすすめはできません。

他の口座との損益通算ができない

つみたてNISAで損失が発生した場合、特定口座もしくは一般口座で出た利益と「損益通算」ができません。

特定口座や一般口座で損失が出た場合は、他の特定口座や一般口座と損益通算することで利益を圧縮することができますが、つみたてNISAは対象外です。

つみたてNISAは利益を出した時の優遇はあるが、損失を出した時の優遇はない

このように覚えておき、簡単に売却しないようにすることが求められます。

つみたてNISAでおすすめ商品を選ぶ際のよくある質問

最後に、積立nisa(つみたてNISA)でおすすめ商品を選ぶ際に疑問に感じやすい点と回答をまとめました。

つみたてNISAはたくさんの種類を買えば良い?

つみたてNISAはたくさんの本数を買うほど有利になる商品ではありません。

たとえば「株式と債券を50:50」で投資したい場合、投資先が「国内株式」「外国株式」「国内債券」「外国債券」に投資できる商品の4つが候補ですが、バランスファンドなら1本あれば全ての資産に投資することも可能です。

複数持てば投資比率を自由に変更できるメリットもあるので、時間があれば自身に合った比率に設定できます。

「自身がどれだけ投資に時間を割けるか」によって、投資する本数を決めると良いでしょう。

インデックス型とアクティブファンドの違いは?

インデックスファンドは特定の指数に連動したタイプの投資信託で、指数を上回るパフォーマンスを実現するための企業調査を行いません。
低コストで指数に連動した運用が可能であり、長期的に成長している指数を選べば資産形成の強い味方になるでしょう。

アクティブファンドは銘柄が厳選されており、指数を上回るために様々な分析・調査を行うことでコストがかかってしまいます。その代わり、相場の状況に応じて臨機応変に投資対象を組み替えてくれるのがメリットです。

まとめ

積立nisa(つみたてNISA)の投資商品は金融庁のお墨付きを得た投資信託です。

さまざまな選択肢がありますが、初心者の方はベンチマークに連動したリターンを目指せるインデックスファンドがおすすめになります。

株式100%ではリスクが高すぎると感じるなら「債券」「不動産」「金」などの別資産も組み込むことで、リスクを抑えながら安定した資産形成が可能になるでしょう。