【2025年版】大阪市の介護保険料はなぜ全国最高?背景と対策を徹底解説

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大阪市の介護保険料は全国トップ?気になる2025年の最新事情

2025年度の介護保険料が改定され、大阪市の65歳以上を対象とした第1号被保険者の介護保険料が月額9,249円に上昇しました。これは全国1,573の市区町村・広域連合の中で最も高い水準です。

全国平均の6,225円と比較すると約1.5倍もの差があり、「なぜ大阪市はこんなに高いのか?」という疑問を抱く市民も少なくありません。本記事では、その背景にある高齢化率・要介護認定率・介護給付費などの公的データをもとに、大阪市の現状を詳しく解説します。

介護保険料の基本|誰が払う?いくら払う?

対象者は40歳以上の全住民

介護保険料は、40歳以上のすべての住民に課される社会保険料です。65歳以上の「第1号被保険者」と、40歳〜64歳の「第2号被保険者」に区分され、保険料の計算方法や徴収方法が異なります。

第1号被保険者の保険料

65歳以上の人は原則として年金から天引きされ、市区町村が定めた「基準額」に応じて保険料が決まります。実際の支払い額は、所得段階別に12区分程度に分かれており、住民税の課税状況などで変動します。

第2号被保険者の保険料

一方で、40歳〜64歳の人は健康保険料に介護分が上乗せされており、給与や賞与からの天引きとなります。保険料率は健康保険組合や協会けんぽによって異なります。

大阪市の介護保険料はなぜ高い?

2025年度のデータによると、大阪市の第1号保険料(月額)は9,249円であり、前期(2022〜2024年)の8,382円から約10.3%増加しています。

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自治体2022〜2024年2025〜2027年増減額増減率
大阪市8,382円9,249円+867円+10.3%
全国平均6,014円6,225円+211円+3.5%

この上昇には以下のような要因が関係しています。

  • 高齢化率が高い(大阪市:24.0%)
  • 要介護認定率が高い(大阪市:25.3%)
  • 年間介護給付費が全国最大規模(大阪市:約4,470億円)

つまり、大阪市は他の政令市に比べて「高齢者が多く」「介護サービスの利用者も多い」ため、結果的に1人あたりの保険料負担が重くなる傾向にあります。

参考:厚生労働省「第9期介護保険事業計画における保険料の動向」

大阪市の介護保険料はいくら?所得別の段階表で確認

大阪市では、所得状況に応じて12段階の保険料が設定されています。第1号被保険者(65歳以上)の場合、基準額は月額9,249円ですが、実際の支払額は以下のように段階ごとに異なります。

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所得段階対象月額保険料(2025年度)
第1段階生活保護・老齢福祉年金受給者2,775円
第2段階住民税非課税・年金収入80万円以下3,330円
第3段階住民税非課税・年金収入80万円超4,620円
第6段階住民税課税・所得200万円以下9,249円(基準額)
第12段階住民税課税・所得900万円超16,647円

もっとも軽減される第1段階と、もっとも高額な第12段階では、月額で約6倍の差があります。

所得段階の判定方法

大阪市では、前年の住民税課税状況や年金収入額などをもとに、毎年7月頃に段階が判定され、納付通知書が送付されます。

軽減制度の利用方法

  • 住民税非課税世帯は自動的に軽減判定対象
  • 急な収入減(災害・退職等)の場合は申請により減免制度の利用が可能
  • 窓口:大阪市各区の保健福祉センターまたは地域包括支援センター

参考資料:大阪市公式|介護保険料について

全国で見ても高い大阪市の介護保険料|他都市との比較

大阪市の介護保険料(月額9,249円)は、全国平均の6,225円と比べても圧倒的に高額です。以下は主な都市との比較表です。

自治体保険料(月額)高齢化率要介護認定率
大阪市9,249円24.0%25.3%
名古屋市6,800円22.5%19.0%
豊田市5,300円23.1%15.9%
小笠原村3,374円16.8%18.0%
全国平均6,225円約29.0%約20.0%

大阪市の特徴:高い認定率と介護給付費

要介護認定率が25.3%と全国平均を上回っており、高齢者の介護サービス利用率が非常に高い地域です。これにより、年間の介護給付費が約4,470億円と、政令市中最大の水準になっています。

これらの要素が複合的に作用し、大阪市の保険料水準を押し上げていることがわかります。

介護保険料が払えないときは?大阪市の減免・猶予制度を活用しよう

高額な介護保険料に対して、一定の要件を満たせば減免や支払い猶予を受けることができます。大阪市では、生活困窮世帯や災害被災者などを対象に、以下のような支援制度が整備されています。

1. 介護保険料の減免制度

以下のいずれかに該当する場合、介護保険料の全額または一部が減免されます。

  • 災害・火災・風水害などにより著しい損害を受けた世帯
  • 世帯主の失業、病気、事故などで急激に収入が減少した世帯
  • 生活保護の停止・廃止後、収入が不安定な期間にある場合

2. 介護保険料の徴収猶予制度

収入が一時的に減少した場合、保険料の納付を最大1年間猶予する制度もあります。猶予期間中は延滞金が発生せず、条件を満たせば延長申請も可能です。

3. 手続きと申請窓口

各区の保健福祉センターまたは地域包括支援センターが相談窓口となっています。申請には次のような書類が必要です。

  • 減免・猶予申請書
  • 世帯収入証明書(源泉徴収票・給与明細等)
  • 被災・事故・失業などを証明する書類

制度の詳細や申請書のダウンロードは、大阪市公式「介護保険料の減免について」から確認できます。

40歳〜64歳も対象!第2号被保険者の介護保険料とは

「介護保険=高齢者だけ」と思われがちですが、実は40歳以上64歳以下の人も第2号被保険者として保険料を負担しています。

第2号被保険者の支払い方法

会社員や公務員など被用者の場合は、加入している健康保険(協会けんぽ・組合健保など)を通じて、給与から天引きされます。

年齢保険者保険料の徴収方法
40〜64歳健康保険(協会けんぽ等)給与天引き(介護保険料含む)
65歳以上市区町村年金天引きまたは納付書

退職・転職時は要注意

第2号被保険者は健康保険の切り替え時に介護保険料の漏れ二重徴収が発生しやすいです。たとえば以下のケースでは注意が必要です。

  • 協会けんぽから国民健康保険に切り替わるとき
  • 離職後の任意継続中に保険料が二重請求される可能性

介護保険に民間保険は必要?

将来的に要介護状態になったときの経済的負担を軽減するため、民間の介護保険や貯蓄型保険を併用する人も増えています。特に40〜50代は保険料が比較的安く設定されているため、早期加入のメリットが大きいです。

保険料や保障内容の比較・相談を希望する方は、無料で受けられる保険の総合相談もおすすめです。

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今からできる!将来の介護に備える3つの対策

高額化が続く介護保険料を前に、「老後が不安」「自分の介護はどうなる?」と感じる人も少なくありません。そこで、介護に備えて今からできる3つの対策をご紹介します。

1. 自治体制度のチェックと申請

まずは住んでいる自治体の制度を確認しましょう。介護保険料の軽減・猶予・給付の対象になる可能性があります。大阪市では、高齢者福祉サービスも多数提供されています。

  • 介護保険負担限度額認定(所得に応じた自己負担軽減)
  • 要支援認定でも受けられるサービス(訪問型介護、配食支援など)
  • 地域包括支援センターでの相談

2. 民間保険の活用

介護保険制度だけでは、施設利用時の自己負担(入所費用・食費など)や在宅介護の人件費などをカバーできないこともあります。そのため、民間の介護保険や医療保険に加入し、備えておくことが勧められています。

民間保険には、以下のような種類があります。

  • 一時金型介護保険:要介護認定で100万円以上の一時金を受け取れる
  • 年金型介護保険:要介護状態が続く間、毎月の給付金を受け取れる
  • 医療・介護一体型保険:入院や手術に加えて介護状態でも保障がある

保険料や受取条件は会社ごとに異なるため、複数比較するのがおすすめです。相談無料のサービスを利用すると、現在の状況に合った保険選びができます。

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3. 長期的な生活設計と貯蓄

最後に重要なのが老後の生活設計です。介護費用は突然必要になる場合が多く、現役世代のうちから「老後資金の積立」や「年金制度の把握」「住宅ローンの完済」など、トータルで備えることが重要です。

将来の生活費が不安な方は、年金と貯蓄の無料相談も活用しましょう。

まとめ|大阪市の介護保険料は「高い」だけで終わらせない

2025年度、大阪市の介護保険料は全国で最も高い月額9,249円となりました。高齢化や要介護率の高さ、都市部特有の介護給付費負担が影響しています。

しかし、制度の理解と対策によって、負担を軽減したり将来に備えることは可能です。所得に応じた軽減制度の利用、民間保険の併用、貯蓄や資産形成の見直しを検討することで、不安を減らしながら安心して暮らせる備えができるはずです。

この記事が、皆様の生活設計の一助になれば幸いです。

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