育てる覚悟はある。でもお金が…そんなあなたに知ってほしい制度と支援【2025年最新版】

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育てたい。でも、お金が不安――そんなときに知ってほしいこと

「子どもを育てる覚悟はある。でも、お金のことが心配で…」そんな思いを抱えていませんか?
出産・育児にはまとまったお金がかかる一方で、制度や支援を知らずに利用しないままになっている家庭も少なくありません。
実は国や自治体では、出産や育児を経済的に支えるための支援制度が多数用意されています。
本記事では、2025年現在使える最新の支援制度や、実際に申請するうえでのポイントをわかりやすくまとめました。
知っているかどうかで、将来が大きく変わるかもしれません。制度を味方につけて、安心して育てる一歩を踏み出しましょう。

1. 妊娠・出産でもらえるお金と制度

妊娠・出産のタイミングでは、さまざまな経済的支援があります。ここでは、2025年時点で利用可能な主要制度を紹介します。

出産育児一時金(50万円)

健康保険に加入していれば、1児につき50万円が支給されます(2023年4月から増額)。出産前後の出費に充てられる大きな制度です。直接支払制度が利用できるため、病院での支払いが不要になるケースもあります。

対象:健康保険加入者または扶養者
支給額:1児につき50万円(産科医療補償制度対象の場合)

出産手当金

勤務先で健康保険に加入している人が産休を取得した場合、給与の代わりに「出産手当金」が支給されます。金額は日給の約3分の2に相当し、出産前42日・出産後56日までが対象です。

注意:育児休業給付金とは異なる制度であり、出産日をまたぐ産休中のみが対象です。

妊婦健診の公費助成

妊婦健診は約14回必要とされますが、多くの自治体で無料券(補助券)が発行され、全額または一部が公費で助成されます。受け取り方法は母子手帳交付時に案内されるケースが多く、各市区町村によって助成回数や上限金額は異なります。

出産・子育て応援給付金(計10万円)

2023年より始まった制度で、妊娠届提出後と出産届提出後にそれぞれ5万円ずつ支給されます。妊娠期から子育てまでの不安を軽減する目的で設けられた支援策です。対象条件や申請方法は各自治体により異なります。

関連リンク:
厚生労働省|出産育児一時金制度
内閣府|出産・子育て応援交付金の手引き(PDF)

2. 0歳〜1歳で使える育児支援制度

赤ちゃんが生まれてから1歳になるまでの間にも、さまざまな経済的支援があります。特に定期的な支給がある「児童手当」や、育休中のママ・パパを支える「育児休業給付金」などは、育児生活の土台になります。

児童手当(2024年改正で高校生年代まで対象拡大)

児童手当は、子どもを養育するすべての家庭に支給される手当です。2024年10月の改正により、所得制限が撤廃され、対象年齢が18歳の年度末まで拡大されました。
また、第3子以降は支給額が大きく引き上げられ、家計支援としての効果も増しています。

  • 0〜2歳:月15,000円
  • 3歳〜中学生:月10,000円(第1・2子)/月15,000円(第3子以降)
  • 高校生年代(新設):月10,000円

出典:こども家庭庁|児童手当制度のご案内

育児休業給付金(雇用保険加入者が対象)

育児休業を取得する際、雇用保険に加入している人は「育児休業給付金」が支給されます。最初の6ヶ月は給与の67%、7ヶ月目以降は50%が支給される仕組みです。

  • 支給対象:育児休業を取得し、過去2年に12ヶ月以上の就業実績がある人
  • 支給期間:原則1歳まで(保育園に入れないなどの事情があれば最大2歳まで延長可)

こども医療費助成(自治体により無料化の範囲が異なる)

こどもの医療費について、多くの自治体では「乳幼児医療費助成制度」が導入されており、0歳から中学生、高校生まで医療費が無料になる地域もあります。
自己負担が0円になるか、初診時の定額負担(数百円)で済むケースが大半です。

確認方法:お住まいの市区町村の公式サイトまたは子育て支援課に問い合わせ

保育料の無償化(3歳未満でも対象になる地域あり)

原則として3歳〜5歳の子どもは、認可保育園・認定こども園の利用料が無償となっていますが、自治体によっては0〜2歳児の保育料についても、第2子・第3子以降を無償化する制度があります。
ひとり親家庭や、低所得世帯などへの独自補助を行っている市区町村も多く、事前確認が重要です。

一時保育・ファミリーサポートも要チェック

育休中でも「少しだけ預かってほしい」「リフレッシュが必要」という場面で利用できるのが一時保育やファミリー・サポート・センターです。保育園に空きがなくてもスポット利用ができ、低料金での利用が可能です。

3. ひとり親家庭を支える支援

配偶者と別れたり、最初からひとりで子どもを育てることを決めた家庭には、特有の経済的・社会的な困難があります。
そのため国や自治体では、ひとり親世帯向けに特化した支援策が複数用意されています。

最新の情報はこちらの記事でも取り上げています。

児童扶養手当(月最大約4.3万円)

離婚・死別などで子どもを育てる保護者に対して支給される手当です。収入に応じて支給額が決まり、子ども1人目で最大43,160円(2023年度)、2人目以降は加算されます。
住民票のある自治体での申請が必要です。

  • 対象:18歳に達した年度末までの児童(障害がある場合は20歳未満)を育てているひとり親
  • 支給日:年に3回(4月・8月・12月)
  • 支給額:収入により異なる(全額・一部・停止あり)

参考:こども家庭庁|児童扶養手当について

ひとり親家庭等医療費助成

多くの自治体では、ひとり親世帯に対して医療費の自己負担分を助成しています。所得制限はありますが、月数百円で通院できる地域もあります。

自立支援教育訓練給付金

ひとり親がスキルアップや資格取得を目指して講座を受講する場合、受講費用の60%(上限20万円)が支給される制度です。
対象講座は事前にハローワークなどで確認・申請が必要です。

高等職業訓練促進給付金(月10万円+修了時支給あり)

看護師・保育士・介護福祉士など、就職に有利な国家資格の取得を目指すひとり親に対して、最長4年間、月10万円(非課税世帯)が支給される制度です。修了時には最大5万円の一時金も支給されます。

  • 対象資格:看護師、准看護師、介護福祉士、保育士、歯科衛生士、理学療法士など
  • 手続き:居住自治体の福祉課などで事前相談が必要

住まい支援(家賃補助・シェア型住宅など)

一部自治体では、ひとり親家庭向けに家賃補助制度や、母子・父子家庭のシェアハウス事業を行っているところもあります。
民間の賃貸物件と連携し、保証人不要・低家賃で住めるケースもあり、引っ越し前に情報収集しておくのが重要です。

4. お金に困ったときの相談窓口と緊急支援

突然の失業や病気、育児による収入減など、「今月の生活費すら厳しい」という場面は誰にでも起こり得ます。
そんなときは、ひとりで抱え込まずに活用できる制度や相談窓口が複数あります。

生活福祉資金貸付制度(緊急小口資金・総合支援資金)

一時的に生活に困窮した場合、都道府県社会福祉協議会を通じて無利子または低利で借りられる制度です。
緊急小口資金は最大20万円、総合支援資金は単身世帯で月15万円、2人以上世帯で月20万円まで、原則3ヶ月間借りられます。

  • 返済免除:条件を満たす場合、一部または全額の返済が免除されることも
  • 保証人不要・無利子(緊急小口)
  • 問い合わせ:市区町村社会福祉協議会が窓口

社会福祉協議会の総合相談窓口

お金の問題だけでなく、住まいや子どもの進学、人間関係に悩むときなど、多角的な支援を無料で行っているのが「社会福祉協議会(社協)」です。
ファイナンシャルプランナーや精神保健福祉士など、専門スタッフと連携した支援体制が整えられています。

子ども家庭支援センター・子育て世代包括支援センター

妊娠中〜子育て期の保護者を対象に、母子保健・福祉・教育を横断した支援を提供しているのが「子育て世代包括支援センター」です。
各自治体に設置されており、保健師・助産師・保育士などの専門職が在籍。制度の申請手続きもサポートしてくれます。

NPO・民間団体の支援(食料配布・子ども宅食など)

地域によっては、NPO法人やボランティア団体が主催する「子ども食堂」や「子育て家庭への食品配送(宅食)」などの活動も増えています。
こうした支援は自治体窓口でも案内してくれることが多く、積極的に情報収集するのがポイントです。

関連リンク:
全国社会福祉協議会|福祉の貸付制度

5. 住まい・引越しを支援する制度

子育てを考えるうえで「住まい」は重要な要素です。特に出産を機に広い部屋に引っ越したい、保育園の近くに住みたいと考える家庭も多いでしょう。
実は引越し費用や家賃負担を軽くするための制度がいくつも用意されています。

こちらの記事でも紹介しています。

結婚新生活支援事業(最大60万円補助)

結婚を機に新たな住居を構える新婚世帯に対して、家賃や引っ越し費用、敷金・礼金などを最大60万円まで補助する制度です。
2025年度も多数の自治体が継続・拡充しており、世帯年収や年齢制限に注意が必要です。

  • 対象:婚姻届受理日から1年以内の新婚世帯
  • 条件:夫婦いずれも39歳以下、所得要件あり
  • 補助上限:30万円〜60万円(自治体により異なる)

例:埼玉県志木市では最大30万円、愛媛県松山市では最大60万円まで支給

子育てグリーン住宅ポイント制度(2025年度予定)

2025年中に予定されている住宅支援策で、省エネ基準を満たす住宅の取得やリフォームに対して、最大160万円相当のポイント(補助)が付与される予定です。
子育て世帯は特に加算対象となり、賃貸住宅の家賃補助にも活用可能です。

対象工事:断熱改修、バリアフリー工事、子ども部屋の増設など

公営住宅の優先入居制度

各自治体の公営住宅には「子育て世帯向け」「ひとり親世帯優先」などの枠があり、抽選倍率が下がる場合もあります。
家賃も収入に応じて安価に設定されているため、経済的に不安定な時期に活用しやすい制度です。

例:東京都や横浜市などでは、月額1万円台から入居可能な物件も

地域移住支援(地方での子育てを後押し)

都市部から地方に移住する場合、国と自治体が連携して「移住支援金」や「就職・起業支援」を行っています。
子育て世帯に対しては、引越し費用の加算支援や、住宅購入支援などがある自治体も増えています。

6. 地域独自の注目制度・自治体支援

国の制度に加えて、自治体ごとに独自の支援策を用意している地域もあります。特に子育て支援に力を入れている市区町村では、現金給付や医療費助成、教育支援など手厚いサポートが整っています。

埼玉県志木市「子育て世帯定住応援助成金」

志木市では、市内に住宅を取得した子育て世帯に対し最大30万円の助成金を支給しています。さらに、子どもが2人以上の場合や市内業者からの購入などで加算あり。定住を後押しする施策として注目されています。

  • 対象:18歳未満の子を持つ世帯、市内に住宅を購入した場合
  • 助成金額:基本10万円+加算あり(最大30万円)

山形県南陽市「こども応援商品券+医療費無料」

南陽市では、18歳までの医療費が完全無料となっており、子育て世帯への経済的な負担軽減に大きく貢献しています。さらに出産後には「こども応援商品券(5万円分)」を支給するなど、現物支給も特徴的です。

大阪市「第3子以降保育料・給食費完全無償」

大阪市では2023年度より、第3子以降の保育料・幼稚園授業料・学校給食費が完全無償化されています。対象の子どもが在籍する限り、所得に関係なく利用可能です。

ポイント:「同時在籍」ではなく「第◯子」のカウントで適用される点に注意

板橋区「いたばし子ども未来応援宣言2025」

板橋区では、妊娠期〜18歳まで切れ目なく支援する「いたばし子ども未来応援宣言」を掲げています。紙おむつ券配布や、18歳までの子ども全員にプレゼントを贈るなどユニークな施策も含まれます。

出典:板橋区|子ども未来応援宣言(PDF)

船橋市「第5次ひとり親家庭自立支援計画」

船橋市では、ひとり親世帯向けに教育・住まい・就労支援を組み合わせた支援体制を強化中です。中でも「ひとり親対象の職業訓練奨励金」は、資格取得を支える金銭的支援として高い評価を得ています。

参考資料:船橋市|ひとり親支援計画(PDF)

制度の活用には“情報収集”がカギ

自治体独自の制度は、住民票の有無申請期間などにより利用できないケースもあるため、早めの確認・相談が重要です。
「◯◯市 子育て支援」などで検索するだけでも、意外な支援制度が見つかることがあります。

まとめ|「育てたい」気持ちを支える制度はこんなにある

出産や育児には確かにお金がかかります。しかし、国や自治体が用意している支援制度を知り、活用することで、「育てたい」という気持ちをしっかりと後押しできます。
特に児童手当や医療費助成、家賃補助などは長期的な支援につながる制度であり、経済的な不安を少しでも減らしてくれます。

制度の多くは「申請しなければ受けられない」仕組みになっています。知らなかったことで損をするのではなく、まずは調べて、相談することから始めてみませんか?
お住まいの自治体ホームページや相談窓口、子育て世代包括支援センター、社会福祉協議会などで最新の情報を得ることができます。

また、将来の教育費や生活費に備えた学資保険や、貯蓄・年金のご相談も、今後の安心につながる一歩になるかもしれません。

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