老後資金が不安なあなたへ|プロに相談する前に知っておくべき5つのこと

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老後2000万円問題は今も続く?本当に必要な備えとは

「老後資金が2000万円不足する」という衝撃的な報道が話題になったのは2019年。あれから数年が経ちましたが、物価高や長寿化、年金制度の将来性を不安視する声は今も多く聞かれます。特に2025年を迎え、定年延長や医療費負担の増加など、老後を取り巻く環境はさらに変化しています。

「まだ先のこと」と思っていた老後が、気づけば目前に迫っていた。そんな実感を抱いている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、老後資金に不安を感じている方が「ファイナンシャル・プランナー(FP)」など専門家に相談する前に、ぜひ知っておきたい基本的な5つのポイントを解説します。自分の状況を客観的に整理し、不安を「見える化」することで、次の一歩が踏み出しやすくなるはずです。

老後にかかるお金を“ざっくり”でも把握しよう

老後資金が不安という方の多くが「いくら必要なのかよくわからない」という状態です。まずは、老後に必要なお金を“ざっくり”でも把握しておくことが、不安解消の第一歩になります。

平均的な老後生活費はいくら?

総務省の「家計調査(高齢夫婦無職世帯)」によると、2023年時点での平均支出額は月約26.4万円。対して、年金などの平均収入は約22万円程度とされています。

つまり、毎月約4〜5万円の赤字が出る計算になり、それが30年続けば約1800万円の不足につながるわけです。

※出典:総務省「家計調査報告(家計収支編)」
https://www.stat.go.jp/data/kakei/

支出の内訳も押さえておこう

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支出項目平均額(2023年)備考
食費約6.8万円自炊中心でも一定額は必要
住居費約1.4万円持ち家か賃貸かで大きく変動
光熱・水道費約2.0万円電気・ガス・水道代
保健医療費約1.6万円医療費が増える傾向
交通・通信費約2.3万円スマホ代、公共交通など
教養娯楽費約2.4万円趣味・旅行など
その他約9.9万円保険料、交際費なども含まれる

住居費が抑えられているのは、持ち家率が高いためです。賃貸の場合はこの金額が倍以上になることもあります。

「自分の場合は?」を考えるためのヒント

以下のような観点で、自分自身のライフスタイルに当てはめて考えてみましょう。

  • 持ち家か賃貸か、住宅ローンは完済済みか
  • 医療や介護が必要になる可能性はどれくらいか
  • 趣味・旅行・孫への援助など、生活水準をどこまで維持したいか

老後にかかるお金は人それぞれですが、「平均的な数字」と「自分の生活」にギャップがあるかを見ておくことで、準備の方向性が見えてきます。

年金の受給額を今すぐ確認する方法

老後資金を考えるうえで、最も重要なのが「自分はいくら年金をもらえるのか」を正しく把握することです。年金は誰にでも共通した金額ではなく、加入年数や納付額により大きく異なります。

年金見込み額を確認するには「ねんきんネット」

日本年金機構が提供している「ねんきんネット」では、次のような情報を簡単に確認できます。

  • 年金加入履歴
  • 将来の年金見込額(試算)
  • 年金定期便の内容
  • 未納期間や追納可能期間の確認

利用には基礎年金番号とマイナンバーが必要ですが、ログインすればすぐに試算が可能です。

※公式サイト:
日本年金機構 ねんきんネット

年金定期便の読み方に注意

毎年、誕生月に届く「ねんきん定期便」でも概算額を確認できますが、注意点があります。

  • 50歳未満の場合:現在までの納付実績に基づいた試算
  • 50歳以上の場合:現在と同じ条件で60歳まで納めた場合の見込額

つまり、50歳未満では「今後の納付状況によって大きく変わる」ことを理解しておく必要があります。

厚生年金・国民年金の違いも理解しよう

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項目国民年金(基礎年金)厚生年金
主な加入対象自営業・フリーランスなど会社員・公務員
月額保険料約1.7万円(定額)月収に応じて(報酬比例)
受給額の目安月5〜6万円(満額)月14〜15万円前後(平均)

自営業の方は、国民年金のみで生活するのは難しいため、iDeCoやNISAなど他の手段による上乗せが重要です。

貯蓄と資産運用、どうバランスを取る?

老後に備えてお金を「貯める」だけでなく、「ふやす」ことも重要です。しかし、年齢を重ねるとリスクは取りづらくなり、運用に対する不安も増すもの。ここでは、無理のない資産形成の考え方を紹介します。

定期預金と資産運用、目的に応じて使い分け

「老後資金=預金だけで確保」と考えている方も多いかもしれませんが、現代は超低金利時代。1000万円を定期預金に預けても、年間の利息はわずか数千円程度です。

そのため、安全性の高い運用方法を取り入れることで、少しでも資産寿命を延ばすことが求められます。

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方法特徴向いている人
定期預金元本保証、利息は非常に少ないとにかく安全第一の人
iDeCo節税メリット大、60歳まで引き出せない長期運用に時間をかけられる人
新NISA(つみたて)少額・非課税・長期分散投資向けある程度の期間運用できる人
債券ファンド株よりは値動きが緩やかリスクは抑えたいが増やしたい人

リスクを取りすぎない「防御型投資」が基本

50代以降の資産運用では「ハイリスク・ハイリターン」を狙うよりも、「守りながら増やす」姿勢が大切です。具体的には以下のような方針が推奨されます。

  • リスク資産(株式など)は全体の2〜3割以内
  • 残りは預金・債券・保険など安定型で構成
  • 暴落しても焦らず対応できる余裕資金で運用

「70歳で取り崩す」イメージで逆算しよう

老後資金を取り崩し始める年齢を70歳と仮定し、そこまでに「いくら貯めて」「どのペースで使っていくか」をシミュレーションするのが有効です。

例)70歳時点で2000万円 → 85歳まで毎月11万円ずつ取り崩し

このように、「準備期間」と「使う期間」を明確にすることで、資産の出口戦略も見えてきます。

住宅ローン・保険・相続…50代からの見直しポイント

50代は、老後資金づくりの「最後の加速ゾーン」です。この時期に、生活設計の中で不要な支出を見直すことは、老後資金の底上げにつながります。中でも注目すべきは、「住宅ローン」「保険」「相続・資産整理」の3つです。

住宅ローン:繰上げ返済はすべきか?

住宅ローンが残っている場合、繰上げ返済を急ぎすぎないことも重要です。

メリットデメリット
総返済額の軽減手元資金が減る
精神的な安心感住宅ローン控除など税制優遇がなくなる
退職後の負担軽減他の資産形成(NISA等)に回せない

退職前に完済することが理想ではありますが、「低金利で借りているなら投資に回した方がよい」ケースもあります。FPと一緒に“資産全体”での最適化を考えるのが得策です。

保険:ライフステージに合っているか再確認を

働き盛りの40〜50代で加入した保険が、そのままになっていませんか?以下のような点を再確認しましょう。

  • 子どもが独立したのに高額な死亡保障が残っている
  • 医療保険の内容が古く、先進医療や通院保障が不十分
  • がん保険・介護保険が必要な年代に入ってきている

保障を“整理”することで、月数千円〜1万円以上の削減ができることも珍しくありません。

相続・資産整理:準備しておくべき3つのこと

まだ早いと思いがちですが、相続準備は元気なうちにこそ始めるべきです。

  • 遺言書の作成(法的効力のあるものに)
  • 不動産や預金の名義確認・整理
  • 相続税の対象になりそうな資産の把握

特に不動産を所有している場合は、相続で“争族”になる前に、家族で話し合う機会を持つことが安心につながります。

老後資金は“ひとりで悩まない”が鉄則

老後のお金の話は、家族にも相談しづらく、つい「自分で何とかしよう」と抱え込みがちです。しかし、老後資金こそ“プロに相談する価値が高い”テーマのひとつです。

FP(ファイナンシャル・プランナー)に相談するメリット

ファイナンシャル・プランナー(FP)は、お金に関する広範な知識を持った国家資格保有者です。老後資金に関しては以下のようなサポートが受けられます。

  • 年金・退職金・資産運用などのシミュレーション
  • 保険の見直しや無駄な出費の整理
  • 老後生活に向けた貯蓄・投資計画の作成

特に「保険を整理したい」「年金額が不安」「資産運用の知識がない」といった悩みは、FPに話すことで一気に見通しがクリアになります

相談時に用意しておきたい3つの情報

相談をより有意義なものにするために、以下の準備をしておくとスムーズです。

  1. ねんきん定期便の最新情報
  2. 現在の貯蓄額・ローン残債など資産状況
  3. 毎月の収支や保険加入内容

事前に簡単なメモで構いません。「整理できていないけど…」という状態でも、FPが一緒に棚卸しをしてくれます。

無料相談サービスを上手に使おう

最近では、無料でFP相談ができるサービスも増えています。中立的な立場でアドバイスしてくれるので、まずは一度、気軽に話をしてみるのがおすすめです。

老後不安は“可視化”と“行動”で解消できる

老後資金の不安は、多くの人に共通する悩みです。しかし、「なんとなく不安」を放置していても、状況は変わりません。

今回ご紹介した5つのポイントをおさらいしましょう。

  1. 平均的な老後の生活費を知る
  2. 年金の見込み額を確認する
  3. 資産運用と貯蓄のバランスを考える
  4. 住宅ローン・保険・相続の見直しを始める
  5. ひとりで悩まずプロに相談する

どれもすぐに始められることばかりです。大切なのは、「具体的に知ること」「行動すること」。まずは今の状況を“見える化”するだけでも、不安の半分は解消されるはずです。

そして、必要なところには専門家の力を借りることをためらわないでください。あなたの未来を守るための一歩は、今この瞬間から始められます。


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