「生命保険に入った方がいいのは分かってるけど、種類が多すぎて違いがわからない…」そんな悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
実は、生命保険には大きく分けて「死亡保障」「医療保障」「貯蓄・資産形成」「介護」「就業不能」「運用型」など、目的に応じて多彩な種類があります。
この記事では、2025年時点での最新情報をもとに、以下のような分類で生命保険を網羅的に解説します。
- ① 死亡保険(万一に備える)
- ② 生存保険(貯蓄・資産形成)
- ③ 医療保険(病気・ケガに備える)
- ④ 介護保険(介護に備える)
- ⑤ 就業不能保険(働けなくなったときの収入を守る)
- ⑥ 変額保険・外貨建て保険(運用型生命保険)
それぞれの保険には異なる特徴と役割があります。本記事では、各保険の仕組みやメリット・デメリット、どんな人に向いているのかをプロの視点でわかりやすく解説します。
生命保険の選び方で後悔しないために、まずは「自分が何に備えたいのか」を明確にしましょう。
次章からは、それぞれの保険の特徴を詳しく見ていきます。
① 死亡保険(万一に備える)とは?
死亡保険とは、被保険者(保険の対象となる人)が死亡した場合に、遺族に死亡保険金が支払われる生命保険です。主に遺された家族の生活費、住宅ローン返済、子どもの教育費、葬儀費用などの経済的負担をカバーする目的で加入されます。
死亡保険には主に以下の3種類があります。それぞれの特徴や適した人を見ていきましょう。
(1)定期保険(掛け捨て型)
- 保障期間が10年、20年など一定で、満了すると契約が終了します。
- 保険料は掛け捨てで、満期を迎えてもお金は戻りません。
- その分、保険料が安いため、子育て中や住宅ローン返済中など「一定期間だけ高額保障が必要」な方に最適です。
(2)終身保険(貯蓄型)
- 一生涯にわたって死亡保障が継続され、いつ亡くなっても保険金が支払われます。
- 解約返戻金があるため、貯蓄性も兼ね備えています。
- 保険料は定期保険より高めですが、資産形成も兼ねたい方や相続対策をしたい方に向いています。
(3)収入保障保険
- 万一の際、保険金が毎月一定額ずつ年金形式で支払われるタイプの死亡保険です。
- 遺された家族の生活費を安定して補う目的で設計されています。
- 子育て中の家庭や配偶者の収入が少ない場合に特におすすめです。
死亡保険は「いざという時、遺された家族を守るため」の基本的な保険です。期間や保障額、目的に応じて、自分に合ったタイプを選びましょう。
② 生存保険(貯蓄・資産形成)とは?
生存保険は、契約期間満了時に被保険者が生きていた場合に保険金を受け取れる「貯蓄型」の生命保険です。死亡時の保障よりも、教育資金や老後資金の準備といった“生きるための備え”に活用されます。
代表的な商品には以下のようなものがあります。
(1)養老保険
- 契約期間中に死亡した場合は死亡保険金、満期まで生存していた場合は満期保険金が受け取れます。
- 死亡・生存のいずれでも保険金が支払われる「ダブル保障」型です。
- 教育資金や老後資金などを確実に貯めたい方におすすめです。
(2)個人年金保険
- 一定期間保険料を積み立て、将来年金として受け取れる保険です。
- 60歳や65歳などのタイミングで年金形式で受け取れるため、公的年金の補完として使われます。
- 老後の生活資金を自分で準備しておきたい方に向いています。
(3)学資保険
- 子どもの進学時期に合わせて、満期金や祝い金が受け取れる保険です。
- 契約者(通常は親)が死亡または高度障害になった場合、それ以降の保険料が免除される保障付きです。
- 教育費を計画的に積み立てたい家庭に最適です。
(4)子ども保険(ジュニア保険)
- 学資保険に似ていますが、医療保障など子ども向けの補償がより充実しています。
- 子どもの入院や手術に備えつつ、教育費も準備できるバランス型の商品です。
生存保険は、将来の必要資金を「計画的に準備」するための保険です。老後や子育て資金など、目的に応じた商品を選ぶことが重要です。
③ 医療保険(病気・ケガに備える)とは?
医療保険は、病気やケガによる入院・手術などにかかる費用をカバーするための保険です。公的医療保険でカバーしきれない自己負担分を補う目的で、多くの方が加入しています。
医療保険には様々なタイプがあり、ライフスタイルや健康状態によって適した保険が異なります。以下に代表的な6種類をご紹介します。
(1)終身医療保険
- 保障が一生涯続くタイプの医療保険です。
- 保険料は契約時のままで上がらないため、長期的な備えとして人気です。
- 老後に備えたい方や、保険の見直しを何度もしたくない方におすすめです。
(2)定期医療保険
- 10年、20年などの一定期間だけ保障される医療保険です。
- 終身タイプより保険料が安く、若い世代に向いています。
- ただし、更新時には保険料が上がる可能性がある点に注意が必要です。
(3)女性専用医療保険
- 乳がん、子宮筋腫など女性特有の疾病に対する保障が手厚い保険です。
- 出産・妊娠に関する給付金が含まれるものもあります。
- 女性のライフイベントに備えておきたい方に最適です。
(4)がん保険
- がんと診断された場合に一時金が支払われる「診断給付型」や、入院・通院ごとの「治療給付型」などがあります。
- がん治療には長期的な費用がかかるため、医療保険と別にがん保険を備える方も増えています。
(5)引受基準緩和型医療保険
- 持病がある方でも加入しやすいよう、健康告知が簡略化された医療保険です。
- 一般の医療保険に比べて保険料は高く、給付条件も制限される傾向があります。
- 健康に不安がある方の選択肢として注目されています。
(6)無選択型医療保険
- 健康状態に関わらず加入できる医療保険で、告知や診査が不要です。
- 加入しやすい反面、保障内容が限定的で、保険料も高めに設定されています。
医療保険は「入院・手術」に備えるだけでなく、「先進医療」や「通院」「がん治療」など、補償範囲の選択肢も広がっています。必要な保障内容と予算のバランスを見極めて選ぶことが大切です。
④ 介護保険(介護に備える)とは?
介護保険は、将来介護が必要になったときに備えるための保険です。公的介護保険制度では補いきれない部分をカバーするために、多くの民間生命保険会社が提供しています。
高齢化が進む日本では、自分自身や配偶者、親の介護に備える重要性が高まっています。
民間の介護保険の特徴
- 所定の「要介護状態」になったと認定された場合に、保険金が一時金または年金形式で支払われます。
- 要介護の度合い(介護度2以上、3以上など)によって給付条件が異なるため、契約前に確認が必要です。
- 保険会社ごとに「認定基準」「給付金額」「支給期間」に差があります。
公的介護保険との違い
- 公的介護保険(40歳以上が強制加入)では、介護サービスの一部を現物給付で受けられますが、自己負担があります。
- 民間の介護保険は、自由に使える現金(介護一時金・介護年金)として支払われるのが大きな違いです。
どんな人におすすめ?
- 将来、自分の介護に家族へ過度な負担をかけたくない人
- ひとり暮らしや夫婦のみの世帯など、介護が外部依存になりやすい人
- 公的介護保険だけでは不安な人
介護保険は、医療保険や死亡保険と比べると知名度は低いかもしれませんが、「もしも」のときに経済的・精神的な負担を軽減できる重要な保険のひとつです。
将来の介護リスクに備えるためにも、早めの検討が安心につながります。
⑤ 就業不能保険(働けなくなったときの収入減に備える)とは?
就業不能保険とは、病気やケガにより長期間働けなくなった場合に、収入を補償する保険です。「所得補償保険」とも呼ばれ、会社員・個人事業主・フリーランスなどに広く利用されています。
入院しなくても、働けない状態であれば給付の対象となる点が、医療保険とは異なる特徴です。
主な保障内容
- 所定の就業不能状態(例:医師の診断で働けないと判断された状態)が一定期間以上継続すると、月々の給付金が支払われます。
- 支給開始までの「免責期間」(30日・60日・90日など)や、給付期間(2年・5年・定期満了など)は契約内容により異なります。
医療保険との違い
- 医療保険は入院・手術等に対する給付が中心。
- 就業不能保険は、「働けないことによる収入の減少」に備える点が大きな違い。
- 在宅療養やうつ病など、入院を伴わないケースでも支払い対象となる場合があります。
どんな人に向いている?
- フリーランス・自営業者など、休業中の給与補償がない人
- 住宅ローンを抱えていて、毎月の支払いに不安がある人
- 家計の主な担い手で、長期離職が家庭の経済に直結する人
病気や事故によって「働けなくなるリスク」は誰にでもあります。就業不能保険は、経済的なセーフティネットとして、医療保険と併せて検討する価値のある保険です。
⑥ 変額保険・外貨建て保険(運用型生命保険)とは?
変額保険や外貨建て保険は、保険の機能に「資産運用」の要素を加えた商品で、運用成果によって将来受け取る保険金額が変動するのが特徴です。貯蓄性を重視したい方や、低金利時代に備えて運用を検討したい方に注目されています。
(1)変額保険
- 契約者が選んだ運用先(投資信託など)で保険料が運用され、死亡保険金や解約返戻金が運用成果に応じて変動します。
- 死亡保険金には最低保証があるものもありますが、元本割れのリスクがある点には注意が必要です。
- 長期的な資産形成を考えている方や、運用にある程度理解がある方向きです。
(2)外貨建て保険
- 米ドルや豪ドルなどの外貨で保険料を払い込み、将来は外貨または円で保険金を受け取る仕組みです。
- 日本円建てより高い利回りが期待できますが、為替リスクが伴います。
- 資産分散の一環として外貨を保有したい方に適しています。
医療特約の付加について
- 変額保険・外貨建て保険の一部商品には、医療特約やがん特約を付けることが可能です。
- 「万が一への備え+医療保障+資産形成」を1本で実現したい人に人気です。
変額保険や外貨建て保険は、リスクとリターンのバランスを見極めながら加入することが大切です。保険としての保障機能よりも、資産運用に重きを置いて設計されています。
生命保険を選ぶ際の注意点と選び方のポイント
生命保険は種類が多く、どれを選ぶべきか迷う方も多いと思います。ここでは、自分に合った保険を選ぶために押さえておきたいポイントを解説します。
1. ライフステージで選ぶ
- 独身・若年層:保険料を抑えつつ、医療保険や最低限の死亡保障で備える。
- 結婚・出産後:家族に遺す保障として死亡保険、学資保険などを検討。
- 子どもの独立後:介護保険や個人年金保険など、老後に備える保険を優先。
2. 保険料と保障内容のバランスを確認する
- 高額な保障は安心ですが、毎月の保険料が家計を圧迫するのは本末転倒です。
- 必要な保障内容と金額を明確にし、無駄のない設計を心がけましょう。
3. 契約内容・条件を細かく確認する
- 保険期間、免責期間、告知義務、給付条件、解約返戻金の有無など、重要な要素を契約前に必ずチェック。
- 特に「特約」は内容が多岐にわたるため、不要なものまで付けないよう注意が必要です。
4. 定期的な見直しも重要
- 結婚、出産、住宅購入などライフイベントのたびに、保障内容が合っているか見直すことが大切です。
- 不要な保険を見直すことで、保険料の節約にもつながります。
生命保険は“人生設計に合わせて変化させるもの”です。今の自分に最適な保険を選ぶことが、将来の安心につながります。
おわりに|保険選びで迷ったら専門家に相談を
ここまで、生命保険の種類を目的別に詳しく解説してきました。生命保険は万一の備えだけでなく、医療、介護、老後、教育資金、資産形成といった「人生のあらゆるリスク」に備えることができる大切な制度です。
しかし、数多くの保険商品がある中で「自分にぴったりの保険」を選ぶのは簡単ではありません。
そんなときは、保険のプロに無料相談してみるのがおすすめです。保険の無料相談サイトガーデンでは、目的に応じた保険のプロをご案内させていただきます。もちろん相談は無料ですので、下記リンクよりお気軽にご相談ください。
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人生の節目や将来の不安に備えるために、今のタイミングで一度、保険について真剣に考えてみませんか?
この記事が、あなたとご家族の安心な未来づくりの一助となれば幸いです。

武田 吉広(タケダ ヨシヒロ)
ファイナンシャルプランナー
毎月定期的に実施しているセミナーが各地で大好評。
国内生命保険会社で支店長などを20年間勤めた経験を活かし、教育・老後などの人生における「お金の問題」をお客様に寄り添って解決していく。
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