妊娠中の検査で「妊娠糖尿病」と診断され、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
特に気になるのが「医療保険に入れるのか」という点です。妊娠中は保険の加入条件が厳しくなることが多く、診断内容によっては加入できないケースもあります。
結論から言うと、妊娠糖尿病でも保険に加入できる可能性はあります。ただし、通常より条件が厳しくなったり、保障内容に制限がつくことがあります。
この記事では、妊娠糖尿病と保険加入の関係、加入できる可能性のあるケース、申し込み時の注意点をわかりやすく解説します。

妊娠糖尿病とは?まず知っておきたい基礎知識
妊娠糖尿病とは、妊娠中に初めて見つかる糖代謝異常のことです。妊娠中はホルモンの影響で血糖値が上がりやすくなるため、妊婦健診の検査で診断されることがあります。
日本では妊婦健診の血糖検査で発見されることが多く、妊婦の数%程度にみられるとされています。
多くの場合は出産後に血糖値が正常に戻りますが、将来2型糖尿病を発症するリスクが高くなることが知られています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発症時期 | 妊娠中に初めて発見される |
| 主な原因 | 妊娠によるホルモン変化で血糖値が上昇しやすくなる |
| 主な治療 | 食事療法、運動療法、必要に応じてインスリン治療 |
| 出産後 | 多くは改善するが将来の糖尿病リスクが高くなる |
| 診断方法 | 75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)など |
妊娠糖尿病でも保険に入れる?基本的な判断
妊娠糖尿病と診断されている場合、保険会社は母体の健康状態や妊娠の経過を慎重に確認します。そのため、通常より加入審査が厳しくなる傾向があります。
特に妊娠中は、出産方法や合併症のリスクがまだ確定していないため、新規加入が難しいケースもあります。
保険会社が主に確認するポイントは次のとおりです。
- 妊娠週数
- 血糖値の状態
- 治療内容(食事療法かインスリン治療か)
- 合併症の有無
- 医師の診断内容
加入が難しいケース
- 妊娠後期で診断されている
- インスリン治療を行っている
- 血糖コントロールが不安定
- 合併症のリスクが高い
条件付きで加入できるケース
- 食事療法のみで血糖管理ができている
- 妊娠初期で診断されたばかり
- 妊娠前から保険契約がある
ただし、加入できた場合でも「妊娠・出産に関する入院は対象外」などの条件が付くことがあります。
妊娠糖尿病と帝王切開の保険
妊娠糖尿病の場合、赤ちゃんが大きくなる(巨大児)リスクなどの理由から、状況によっては帝王切開が選択されることがあります。
帝王切開は健康保険の対象となる医療行為であり、医療保険でも手術給付金の対象になることが一般的です。
ただし、妊娠中に新しく保険へ加入した場合は、次のような条件がつくことがあります。
- 妊娠・出産に関する入院は保障対象外
- 一定期間は女性疾病の保障が制限される
- 特定部位不担保が設定される
このため、帝王切開の保障を期待して妊娠中に加入する場合は、契約内容をよく確認することが重要です。

妊娠糖尿病で保険を申し込むときの注意点
告知は正確に行う
保険に申し込む際は、健康状態について告知を行う必要があります。妊娠糖尿病と診断されている場合は、診断内容や治療状況を正確に申告しなければなりません。
告知をしなかった場合や事実と異なる内容を申告した場合、契約解除や給付金不払いになる可能性があります。
保険会社によって判断が異なる
保険会社ごとに引受基準は異なるため、同じ健康状態でも加入できる場合とできない場合があります。
女性向け保険や引受基準緩和型保険など、商品によって審査基準が違うこともあります。
出産後の方が加入しやすいケースもある
妊娠中は健康状態が変化しやすいため、保険会社は慎重に審査を行います。そのため、出産後の健康状態が安定してから加入した方が選択肢が広がるケースもあります。
妊娠糖尿病は保険の告知が必要?
保険に申し込む際には、健康状態について「告知」を行う必要があります。妊娠糖尿病と診断されている場合も、保険会社の質問項目に該当する場合は正確に申告する必要があります。
一般的な医療保険の告知では、次のような内容が確認されることが多くあります。
- 最近の健康診断の結果
- 医師からの指摘や診断
- 現在の通院や治療の有無
- 妊娠の状況
妊娠糖尿病と診断されているにもかかわらず申告をしなかった場合、後から事実が判明すると契約解除や給付金不払いになる可能性があります。
保険の告知は難しく感じることもありますが、迷った場合は申告する内容を保険会社や担当者に確認しながら進めることが大切です。
妊娠糖尿病になった後でも保険に入れる?
妊娠糖尿病と診断された場合でも、出産後に血糖値が正常に戻れば、保険に加入できる可能性はあります。
ただし、治療内容や健康状態によっては条件付き契約になることもあります。
| 状態 | 加入の可能性 |
|---|---|
| 出産後に血糖値が正常 | 通常の医療保険に加入できる可能性 |
| 食事療法のみ | 条件付き加入の可能性 |
| インスリン治療あり | 加入制限の可能性 |
| 糖尿病へ移行 | 加入が難しい場合あり |
妊娠中に保険へ入れなかった場合の対処法
妊娠中は加入制限が多いため、保険に入れないケースも珍しくありません。その場合は、次のようなタイミングで見直しを検討することが現実的です。
- 出産後の健康状態が安定したタイミング
- 産後健診で血糖値が正常と確認された後
- 家計の見直しをするタイミング
保険は商品や保険会社によって条件が大きく異なるため、自分の健康状態で加入できる保険を確認することが大切です。

まとめ
妊娠糖尿病と診断されていても、保険に加入できる可能性はあります。ただし妊娠中は審査が厳しくなり、保障内容に制限がつくことがあります。
出産後に健康状態が安定すれば、通常の医療保険に加入できるケースもあります。保険会社によって判断が異なるため、複数の選択肢を比較しながら検討することが重要です。
出産後は家計や保障内容を見直すタイミングでもあります。出産後に増えるお金の不安を整理するセルフチェックも参考にしてみてください。

参考資料
- 厚生労働省「妊娠糖尿病」
- 日本糖尿病学会「妊娠糖尿病の診断基準」
- 日本産科婦人科学会「妊娠糖尿病に関するガイドライン」

武田 吉広(タケダ ヨシヒロ)
ファイナンシャルプランナー
毎月定期的に実施しているセミナーが各地で大好評。
国内生命保険会社で支店長などを20年間勤めた経験を活かし、教育・老後などの人生における「お金の問題」をお客様に寄り添って解決していく。
アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー
